

社会福祉法人 日本心身障害児協会
島田療育センター
( 医療型障害児施設・療養介護事業所・児童発達支援・生活介護 )


重度の身体障害や知的障害などを抱える方が暮らす「療育センター」では、看護師・介護福祉士・保育士が専門性を発揮しています。東京都多摩市の「島田療育センター」でも、医療的ケアに携わる看護師だけでなく、生活支援を担う介護福祉士・保育士も多く活躍しているとのこと。重症心身障害児者施設未経験からスキルアップできる環境が整っているそうなので、さっそく見学に行って働く魅力を見てきます!
- 形 態
- 医療型障害児施設・療養介護事業所・児童発達支援・生活介護
- 所在地
- 東京都多摩市/多摩センター駅
- 病床数
- 233床(他短期10床)

玄関
「島田療育センター」があるのは、「唐木田駅」から徒歩約15分の自然に囲まれた立地。「多摩センター駅」からバスでのアクセスも可能で、マイカー通勤者のために無料駐車場も完備されています。玄関で迎えてくれたのは、入職1年目の看護師さん。子育てをしながら病棟で勤務しているとのことです。「ようこそ!今日は当施設の魅力をたっぷりご紹介しますね」。


玄関ロビー
玄関ロビーには、法人の取り組みや創業の歴史などに関する資料が並んでいます。歴史が長いのですね。「ええ、日本で最初の重症心身障害児者施設として、1961年に開設されました。制度や法律の改定に沿って施設の在り方を見直しながら、小児~高齢の方を1つの施設で継続的に支援する『児者一貫の医療・療育』を大切にしています。事業展開も幅広く、入所・外来・通所・訪問などの支援機能を有しています」。


外来
外来フロアに伺うと、摂食・嚥下障害看護認定看護師の資格を持つ療育副部長にお会いできました。「外来では、小児期に発症した神経・筋疾患、精神疾患、発達障害の診療実績が豊富で、リハビリも提供しています。夕方には学校帰りの子どもの患者様がリハビリに来ているので、にぎやかな雰囲気です。必要に応じて、法人内のデイケアや発達支援センターの利用につなげ、地域の障害児者・ご家族の在宅生活を支えているんですよ」。


入所病棟のデイルーム
お次は、入所病棟へ。「入所病棟は、障害の程度や年齢・性別によって6つの病棟に分けられていて、現在は10~70代の利用者様が暮らしています。入退院が少なく、生涯を施設内で過ごす方が大半なので、利用者様とじっくり長く関わりながら信頼関係を築くことができます。介護スタッフや保育士は、季節の装飾作りや、行事・レクリエーションの開催に力を注ぎ、生活に楽しみを生み出せるように取り組んでいます」。


入所病棟
療育部長にお会いできました。「当施設では、『療育部』の部署名で、看護師・介護スタッフ・保育士が同じチームの仲間として所属しています」と、療育部長。どのような仲間を歓迎していますか?「重症児者のケアに興味のある方であれば、年齢・経験は問わず歓迎しています。当施設独自の教育制度に沿ってじっくり指導を行うので、重症心身障害児者施設未経験の方や経験が浅い方でも大丈夫です」。


入所病棟
入所病棟の一角で、新人指導が行われていました。「多職種一丸のチーム療育を行う当施設では、新人指導も多職種で取り組んでいることが特徴です。専門領域は基本的に同職種の先輩が付いて指導をしていますが、生活支援に関しては全職種共通なので、他職種の先輩も指導に入っています」と、看護師さん。


研修室
つづいて、研修室へ。研修について教えてください。「入職1年目は、利用者様の不安な気持ちなどを理解してもらうために、ストレッチャーに乗って施設内を移動したり、スタッフ同士で爪を切り合ったりなどの利用者様の立場を疑似体験する研修を行っています。その後も定期的に研修が実施されるほか、興味のある外部研修にも積極的に参加できるので、スキルアップしやすい環境です」。


スヌーズレン室
お次は、スヌーズレン室を案内していただきました。「『スヌーズレン室』というのは、障害のある方が、自分の時間を自らの選択で活動できるよう、光や音、手触りなど、五感で感じ取りやすい刺激をたくさん作ったお部屋のことです。また、お部屋だけでなく『スヌーズレンカー』も用意し、在宅で暮らす方もスヌーズレン体験ができるようにしています」と、看護師さん。


イベントの様子
「こちらは『宝舞風瑠さ登コンサート』の様子です」と、写真を見せていただきました。「当施設では生活に楽しさを生むケアを大切にしているので、イベントの開催に力を注いでいます。大遠足、利用者様・ご家族との会食、季節行事、利用者様の誕生日・入学・卒業・成人・還暦のお祝いなど、利用者様と一緒に楽しめるイベントが多くありますよ」。


職員食堂
職員食堂は広々としていて、開放感があります。「こちらでは、一食470円で栄養バランスの整ったおいしいランチが食べられます。月~木曜日はパン屋さんが来ておいしいパンを販売してくれて、スタッフから人気です。曜日ごとに違うパン屋さんが来るので、さまざまな種類を楽しめます。ほかにも、お豆腐屋さんがお惣菜などを販売しに来てくれるので、夕食のおかずとしても購入できます」。


入所病棟
最後は、ママさん看護師さんたちにお会いしました。「日勤常勤・時短勤務・パート勤務などのライフスタイルに合わせた働き方ができるので、産休・育休から復帰して働くママさん・パパさん仲間が多くいます。休みの希望はほぼ100%通り、残業はほとんど発生しません。有休も1時間単位で取得できるので、子育てと両立しやすいです」と、みなさん。働きやすさも整っているんですね!今日はありがとうございました。

帰り道

――お疲れさまでした。未経験者も歓迎の島田療育センター、いかがでしたか?
- 重度の身体障害や知的障害などを抱える方を対象に、個別ニーズに合わせた療育・医療サービスを提供する複合施設で、入所病棟で働く介護スタッフ・保育士・看護師の採用に力を入れていました。入職時だけでなく、継続的に成長できる教育プログラムが構築されていて、経験ゼロから重症児者ケアのプロを目指せる環境が整っていましたよ。
――見学中に印象に残ったことはありますか?
- 職種間のコミュニケーションが活発で、チームワークが良い職場だなと感じました。利用者様のケアプラン作成には多職種で取り組むため、日頃から連携を大切にしているそうで、生活支援には全職種で取り組み、新人さんは他職種の先輩の指導を受ける機会も多いそうです。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 利用者様の中には、人工呼吸器利用などの医療度が高い方もいらっしゃり、日々の関わりが命に直結するため、求められるケアについて積極的に学ぼうとする方でないと難しいと思います。働く介護スタッフさんは介護福祉士の資格を持つ方が多かったですし、保育士さんの中にも介護の資格を持つ方がいました。そして、無資格で、資格取得に向けて働くスタッフの方もいました。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 施設周辺は自然が豊かで、創立当初に植えた桜の木が立派に育っていました。あたたかい春になると、雑草がたくさん生えてくるため、草を食べるヤギの姿を目撃することもあるんだとか!
未経験から重症児者ケアのプロを目指したい方
多職種と密に連携しながら、チーム療育を学びたい方